胃潰瘍と胃がんの違いはどのような症状があるの?

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胃潰瘍と胃がんの違いはどのような症状があるの?

胃潰瘍と思っていたら胃がんだったという話はよくききますよね。そこで伊の病気の違いや伊の構造などについて紹介していきます。

胃の構造と消化液について

胃は食道から続く袋状の臓器で、その大部分が左上腹部にあります。胃の入口を噴門、出口を幽門と呼びます。

胃に入った食物は胃底部に溜められて、それが刺激となって胃から腸へと排出されます。噴門と幽門には逆流防止の機能が備わっているので、逆流することは基本的にありません。胃壁は内側から粘膜・粘膜下層・筋層・漿膜と呼びます。

胃の壁は4つの種類殻できている

胃壁は内側から粘膜・粘膜下層・筋層・漿膜から構成されます。粘膜にある胃腺という部分からは1日平均1.5L~2.0 Lの胃液を分泌しています。

胃腺には胃底腺・幽門腺・噴門腺の3種類があります。胃底腺とは胃の大部分に分布し、そこからは金属を溶かしてしまうほど強い酸があります。

これらは、食べ物に含まれている菌を殺菌する効果のある塩酸、胃酸から胃粘膜を保護する働きがある粘液、胃酸の働きによって蛋白質を分解する酵素(ペプシン)へと変化するペプシノーゲンが分泌されます。

幽門腺とは幽門部に存在し、十二指腸に近い為、ここではアルカリ性の粘液を分泌します。噴門腺とは噴門あたりに存在し、粘液を分泌しています。

胃潰瘍の症状と特徴

胃潰瘍の好発年齢は40歳~60歳、男女比はともに大差はありません。好発部位は噴門から幽門までの胃の内側に小さく湾曲した部分、胃角部小彎部と呼ばれる部位です。

胃酸の分泌を促進するホルモン(ガストリン)を分泌する幽門腺と、胃酸やペプシノーゲンを分泌する胃底腺の境界部分に胃潰瘍は発症しやすいといわれます。また、年齢を重ねるごとにこの境界線は幽門部から噴門部へ上昇してゆきます。

胃潰瘍の原因

正常な胃では粘液や粘液血流、重炭酸イオンといった防御機能が働いて、胃酸や消化酵素であるペプシンなどの攻撃から胃の粘膜が守られています。

胃潰瘍ではその防御と攻撃のバランスが崩れる事により発症します。バランスを崩す要因となるのは、ヘリコバクターピロリ菌、もしくはNSAIDs(内服薬)であり、胃酸はその増悪の要因として働きます。

ヘリコバクターピロリ菌とは胃の酸性という特殊な環境においても増殖する菌です。

この菌は上下水道が整っておらず、井戸水を飲む機会が多かった世代、50歳以上に多く感染しているといわれています。

普段強い酸の中では生きていけませんが、この菌がウレアーゼという酵素を産生し、胃の中の尿素を分解してアンモニアを発生させます。

アンモニアはアルカリ性です。本来酸性である胃の中がアンモニアによって中和されて、生息できる環境となってしまったのです。

内服薬が原因で胃潰瘍になることも

NSAIDは痛みや炎症を抑えたり、解熱の目的で使用される抗炎症剤を指します。数日間の服用であれば問題は起きませんが、数週間~数か月などの長期的な服用では、胃粘膜を健康に保っている胃粘膜の防御因子であるプロスタグランジンが減少して、胃潰瘍に発展してしまうことがあります。

胃潰瘍の症状と検査

症状としては、食後に持続・増強する心窩部痛、吐き気、腹部膨満感を訴え、胃潰瘍部分からの出血に伴う吐血や黒色便(血液が胃酸によって酸化し黒色になる為)、鉄欠乏性貧血(出血に伴うヘモグロビンの低下の為)が起こります。

上部消化管検査(主に内視鏡検査)では胃粘膜がえぐれる(掘れた状態)ため、欠損部分に造影剤(バリウム)の溜まりが見えます。同時に胃粘膜採取によってピロリ菌の有無まで診断できます。

胃潰瘍の治療

一般的に胃への刺激を控える為に、節酒や禁煙、心身の安静や吐血を伴うときは絶食となります。胃潰瘍から出血を伴う場合、内視鏡での止血治療が行われます。

出血がない場合、ヘリコバクターピロリ菌が存在すれば抗生剤を用いた除菌療法を行います。NSAIDs服用中であれば服用を中止し、他の薬剤へ変更すると共に潰瘍治療薬を使用します。

胃がんの特徴

胃がんの好発年齢は60歳代後半で、男女比は2:1で男性の方が多いです。好発部位は幽門部で、胃体部、胃底部の順に多くなります。

特に胃がんは浸潤の深達度(胃壁の内側からどれくらい進んでいるか)によって呼び方が変わります。

浸潤が粘膜下層までにとどまったものを早期胃がん、浸潤が粘膜下層を越えて固有筋層以下に達しているものを進行胃がんと呼びます。

早期がんはその見た目から、盛り上がった「隆起型」や平らな「表面平坦型」、凹んだ「表面陥没型」などにさらに細かく分かれます。

進行胃がんもその見た目から、丸く突き出た「腫瘤型」や、がんの真ん中に潰瘍ができる「潰瘍限局型」「潰瘍浸潤型」、またはがんとそれ以外の境界がはっきりしない「びまん浸潤型」などに分かれています。

胃がんの原因は4種類

胃がんの原因には主に4つが挙がります。

まず食事とアルコールです。塩分過剰や熱い食べ物、焦げたものなどを過剰に摂取すると発症のリスクが上がります。

また野菜や果物を摂らず、肉食中心の偏った食事も胃がんのリスクが上がります。飲酒においても適量であれば問題ありませんが、過剰な飲酒は胃に負荷をかけてしまします。

次に喫煙です。タバコに含まれる有害物質が胃粘膜を刺激することが原因です。続いてストレスです。胃潰瘍や胃炎を繰り返すと胃粘膜が傷つき、再生・修復が追い付かず胃粘膜に負荷をかけすぎてしまいます。

最後にヘリコバクターピロリ菌です。胃の中にこの菌が存在すれば胃がんを必ず発症するわけではありませんが、除菌療法によって胃がんにかかるリスクが低くなるといわれています。

胃がんの症状と検査

早期胃がんの場合、多くの場合は無症状です。自覚症状があるとすれば食事に関係なく胃痛や胃部不快感、胸やけや食欲不振があります。

一般的に胃潰瘍との区別はつきにくいです。この症状は噴門や幽門部位にがんがあれば出やすいのですが、胃体部位になればなるほど無症状のまま進行することが多くあります。

進行胃がんの場合、がんが進行した為に症状が明らかになります。吐血や下血による黒色便、胃の上から触れただけでわかる硬いしこりです。

特に進行胃がんの場合は転移を起こし、肺や骨に転移すれば呼吸困難や骨折をなども引き起こすようになります。

胃がんの治療

胃がんは発見時の病気によって治療法が変わります。早期に発見されれば内視鏡的治療ができます。

胃壁のごく浅い層までと判断されれば、内視鏡によって摘出(切除)します。

ある程度胃壁の奥まで広がれば、転移が疑われる部位も同時に摘出します。末期であれば手術ができずに抗がん剤と放射線照射での治療が中心となります。

胃がんは抗がん剤に対して感受性が低い為です。よって放射線照射と併せて実施されることもあります。

胃潰瘍と胃がんの違いまとめ

胃潰瘍と胃がんでは一部似た症状があるため、区別がつきにくく戸惑うことがあるかもしれません。

食事制限や節酒、禁煙など生活習慣を見直すことや、除菌治療を受ける事で胃がんのリスクを減らせることは事実です。胃潰瘍であったとしても胃がんの事を念頭おいて、不安があれば医師の診察を受ける事が大切です。

まずは早期発見が大切であり、年に一度の健康診断を受ける事が大切です。

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